トランプ大統領、プエルトリコ市長の災害救助の要請を拒絶し、非難殺到(2017/10/02)
プエルトリコのカルメン・ユーリン・クルス市長から「ハリケーン災害の被害に対して救助支援の対応が十分でない」とトランプ大統領を非難し、トランプ大統領がそれに対して反論したことで、論争が起きている。
プエルトリコは電気ガス、飲料水などが不十分で悲惨な状況であり、クルス市長はアメリカには救助支援を要請していて、CNNでも「少しでも支援要請にこたえてくれる方がいるなら、すぐにでも救助をお願いしたいです。トランプ大統領にもそれを期待していました。」と述べた。しかし当のトランプ大統領は「民主党に訴え私を批判させる前に、自身のリーダーシップのなさを責めるべきだ。」とツイッターに書き込んだことで物議をかもしだした。...
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プエルトリコは電気ガス、飲料水などが不十分で悲惨な状況であり、クルス市長はアメリカには救助支援を要請していて、CNNでも「少しでも支援要請にこたえてくれる方がいるなら、すぐにでも救助をお願いしたいです。トランプ大統領にもそれを期待していました。」と述べた。しかし当のトランプ大統領は「民主党に訴え私を批判させる前に、自身のリーダーシップのなさを責めるべきだ。」とツイッターに書き込んだことで物議をかもしだした。
MSNBCの番組でも同市長は「私がトランプ大統領に訴えたことは政治とは全く関係ないことで、ただ、災害が起きたら問題に対処し事態を改善させることが必要だと言いたいだけです。」とコメントしている。
CNNの安全保障関係のアナリストのジュリエットさんも記事でトランプ大統領を批判している。「総司令官は災害が起きたら直ちに必要な救助を行い、被災地に希望を与えるべきである。ツイッターで自分を褒めたたえたり、自尊心を傷つけられたら反撃したり、そのようなことばかりしている場合ではない。」
災害救助に関してはブッシュ元大統領も2005年に対応不十分で非難されたことがある。
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米メディア;国連総会における矛盾・課題(1)キューバ問題(2015/10/28)
米国は今年7月20日、1961年の断交から54年振りにキューバとの国交を回復し、互いの首都で大使館を再開した。長い間反目を続けてきた両国にとって、新たな時代の幕開けになると期待されている。しかし、キューバに対する禁輸制裁の即時撤廃は、野党・共和党が勢力を強める米議会の反対もあってか、話はそう簡単に進むようではなく、国連総会における米国の行動が問題含みとなっていると米メディアが伝えている。
10月27日付
『MSNBCニュース』(
『AP通信』記事引用)は、「国連総会、圧倒的多数が米国の対キューバ禁輸制裁を非難するも、米国はNo」との見出しで、「オバマ大統領が米議会に対キューバ禁輸制裁の撤廃を要求している中、米国のロナルド・ゴッダード国連大使代理は10月27日、国連総会に提出された、対キューバ経済・金融制裁を非難する決議に対して、イスラエルとともに反対票を投じた。キューバが提起した決議案に対して、ゴッダード氏は、両国首脳の歴史的会談後に必要な手続き、段階を踏むべきなのに、キューバは余りに性急な結論を求めていると非難したが、191ヵ国が同決議案に賛成票を投じている。...
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10月27日付
『MSNBCニュース』(
『AP通信』記事引用)は、「国連総会、圧倒的多数が米国の対キューバ禁輸制裁を非難するも、米国はNo」との見出しで、「オバマ大統領が米議会に対キューバ禁輸制裁の撤廃を要求している中、米国のロナルド・ゴッダード国連大使代理は10月27日、国連総会に提出された、対キューバ経済・金融制裁を非難する決議に対して、イスラエルとともに反対票を投じた。キューバが提起した決議案に対して、ゴッダード氏は、両国首脳の歴史的会談後に必要な手続き、段階を踏むべきなのに、キューバは余りに性急な結論を求めていると非難したが、191ヵ国が同決議案に賛成票を投じている。国連総会の決議は法的効力を持たないが(編注;国連安全保障理事会の決議のみが法的拘束力を有する)、国際社会に対し米国の孤立化を際立たせる結果となろう。」と報じた。
同日付
『CNNニュース』は、「国連総会、米国の対キューバ制裁を非難」との見出しで、「米国はこれまで過去23年間、対キューバ制裁停止決議案に反対投票してきた。両国の国交回復決定後の初めての国連総会であるものの、依然米議会対策が進展していないことから、同決議案に棄権するかとみられていたが、24年目も反対投票を投じることになった。なお、昨年の同決議案も、188対2で可決されており(反対票はいずれも米国、イスラエル)、今年は更に米国への非難が高まった結果となっていることから、対キューバ制裁撤廃を拒否するとしている野党・共和党が大勢を占める米議会に対して、国際社会からのプレッシャーにはなるはずである。」と伝えた。
国連において、唯一加盟国を法的に縛る決定権を有する安保理事会であるが、10月16日付「日本、ウクライナともに国連安保理入り」の中で報じたとおり、“常任理事国5ヵ国(米・英・仏・ロ・中)のうちの一部の常任理事国の拒否権発動で、これまで重要な国際問題が何も決められない状態になっている。そこで最近フランスは、拒否権行使について、大殺戮等の重要事態への対策事項には許容しないとする提案を、他4ヵ国にはたらきかけている”。
また、フランス以外にも、スイス、リヒテンシュタインなど非常任理事国を務めた25ヵ国で作る団体“ACT(説明責任、一貫性、透明性の頭文字)”が、虐殺や戦争犯罪の終結などを目的とする安保理決議案に反対しないことを加盟国が誓約する“行動規範”への参加を呼び掛けている。先週末現在、常任理事国の英国、フランスを含めた104ヵ国が賛同している。しかし、昨年はクリミア半島併合やウクライナ東部内戦問題、直近でもシリア支援政策で西側諸国と対立しているロシアは反発しており、また、かつてイスラエル・パレスチナ問題の決議案で拒否権を乱発してきた米国も、慎重な姿勢を示している。
なお、1990年以降の拒否権行使回数は、①米国:16回、②ロシア:13回、③中国:8回である(英国、フランス両国は拒否権を発動したことはない)。
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