ビラ散布問題に対する抗議集会と連日の報道(6月8日)
4日に金与正党第一副部長が、脱北者団体が北朝鮮に向かって気球を飛ばし、金正恩委員長と北朝鮮の核開発に対して誹謗中傷を行い、韓国政府がそれに対し見て見ぬふりをしているとして罵詈雑言を浴びせる非難を行って以降、北朝鮮の韓国非難が連日続いている。
7日には開城で労働者と職業同盟員の抗議集会が開催された。また韓国向けのメディアだけではなく、『労働新聞』をはじめとしてあらゆるメディアで連日韓国非難の報道がなされている。...
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4日に金与正党第一副部長が、脱北者団体が北朝鮮に向かって気球を飛ばし、金正恩委員長と北朝鮮の核開発に対して誹謗中傷を行い、韓国政府がそれに対し見て見ぬふりをしているとして罵詈雑言を浴びせる非難を行って以降、北朝鮮の韓国非難が連日続いている。
7日には開城で労働者と職業同盟員の抗議集会が開催された。また韓国向けのメディアだけではなく、『労働新聞』をはじめとしてあらゆるメディアで連日韓国非難の報道がなされている。
韓国非難で共通しているのは、ビラを散布した脱北者団体への非難もさることながら、韓国政府への非難が激しいことである。文在寅政権であれば、激しく非難すれば、なんらかの妥協を引き出すことができるととともに、国内的な引き締めに利用しているとも考えられる。
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労働党政治局会議開催 ~化学工業に注力~(6月8日)
6月7日朝鮮労働党中央委員会第7期第13回政治局会議が開催された。8日の『朝鮮中央通信』が金正恩委員長の写真を掲載して報じたもの。
会議は、金正恩委員長が司会を行い、国の自立経済をさらに発展させ、人民の生活を向上させる問題について討議された。議題は化学工業の発展のための問題と、首都市民の生活保障についてであった。
北朝鮮では化学工業、とくにC1化学工業と呼ばれる石油のかわりに石炭ガス化による工業生産に近年力がいれられている。...
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6月7日朝鮮労働党中央委員会第7期第13回政治局会議が開催された。8日の『朝鮮中央通信』が金正恩委員長の写真を掲載して報じたもの。
会議は、金正恩委員長が司会を行い、国の自立経済をさらに発展させ、人民の生活を向上させる問題について討議された。議題は化学工業の発展のための問題と、首都市民の生活保障についてであった。
北朝鮮では化学工業、とくにC1化学工業と呼ばれる石油のかわりに石炭ガス化による工業生産に近年力がいれられている。石油を輸入に頼らざるを得ない北朝鮮にとって、国内に豊富にある石炭を利用しての化学工業の発展が急がれている。ただし繰り返しこの部門の発展に力を注ぐようにいわれているのは、実験室段階ではできても、大量生産ができない、あるいはコストが下がらない、などの問題を抱えているのかもしれない。
金正恩委員長は化学工業のなかでは「何よりも化学肥料生産を最優先課題にする」ように指摘しているが、このことは肥料不足から食糧生産がうまくいっていないことを現しているのであろう。
さらに金正恩委員長は「国内の原料と資材に徹底的に頼って」化学工業を発展させるようにと述べ、また触媒の開発を行うように述べていることからしても、石油に頼れないことや、触媒の開発もいまだうまくいっていないことをうかがわせる。
首都市民の生活保障については具体的には住宅建設があげられている。
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北朝鮮、南北の連絡事務所の閉鎖に言及(6月6日)
4日の「朝鮮中央通信」は金与正党第一副部長が、脱北者たちのビラ散布を非難し、開城工業団地の完全撤去や、北南連絡事務所の閉鎖、あるいは2018年の軍事合意の破棄に言及しているとの記事を報じていたが、5日には、朝鮮統一戦線のスポークスマンが談話を発表し、開城にある北南連絡事務所を断じて撤廃するだろうと述べ、金与正党第一副部長が言及していた他の措置も執る用意があるとしている、と報じた。
さらに金与正党第一副部長の発言に対する南側の態度が奇怪であるとし、いまになって実効性のある制度改善法を検討中であるとしているのは、一切の敵対行為を中断するという軍事分野の合意にいい加減に署名したということなのか、と非難している。...
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4日の「朝鮮中央通信」は金与正党第一副部長が、脱北者たちのビラ散布を非難し、開城工業団地の完全撤去や、北南連絡事務所の閉鎖、あるいは2018年の軍事合意の破棄に言及しているとの記事を報じていたが、5日には、朝鮮統一戦線のスポークスマンが談話を発表し、開城にある北南連絡事務所を断じて撤廃するだろうと述べ、金与正党第一副部長が言及していた他の措置も執る用意があるとしている、と報じた。
さらに金与正党第一副部長の発言に対する南側の態度が奇怪であるとし、いまになって実効性のある制度改善法を検討中であるとしているのは、一切の敵対行為を中断するという軍事分野の合意にいい加減に署名したということなのか、と非難している。
その上で、我々は南側が非常に疲れるようなことを準備していることや、対決の悪循環の中で行ける所まで行ってみようとも思っているともスポークスマンは述べていた。
韓国のなかでも、金与正声明が発表されてからわずか4時間半後に、反朝ビラを禁止する法案を準備していると発表した統一部や政府に対する非難の声があがるなか、どうやら肝心の北朝鮮にも韓国政府は「見限られて」いるようである。
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北朝鮮外相、香港国家安全法を支持(6月6日)
4日北朝鮮の李善権外相は、万寿台議事堂で、中国の李進軍駐朝大使と会見し、朝鮮労働党と政府は、中国の香港国家安全法を支持すると伝えた。5日の「朝鮮中央通信」が伝えたもの。
李善権外相は、香港問題は中国の内政問題であり、外部勢力がこの問題に干渉することは、中国の主権と国際法を侵害すことになるとして、中国が主権と安全、領土保全を守る立場を北朝鮮は積極的に支持すると述べた。
北朝鮮外務省は5月31日に、報道官談話として香港国家安全法を支持すると発表していた。
韓国:反朝ビラ散布を禁止する法案準備(6月5日)
北朝鮮が4日に、脱北者の団体が反朝ビラを散布したことに不快感を示し、「9.19北南軍事合意」の破棄にも言及していたことに対し、韓国統一部の呂尚基報道官は、4日、韓国は反朝ビラ散布を禁止する法案を準備しているところだと述べた。
呂尚基報道官は、反朝ビラの散布は、南北朝鮮の境界線付近の緊張を高め、境界線地域の環境を汚染し、地域住民の生活条件を害するものだとして、政府はこれらを総合的に考慮し、境界地域の緊張を取り除く法案を準備しているところだと述べた。...
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北朝鮮が4日に、脱北者の団体が反朝ビラを散布したことに不快感を示し、「9.19北南軍事合意」の破棄にも言及していたことに対し、韓国統一部の呂尚基報道官は、4日、韓国は反朝ビラ散布を禁止する法案を準備しているところだと述べた。
呂尚基報道官は、反朝ビラの散布は、南北朝鮮の境界線付近の緊張を高め、境界線地域の環境を汚染し、地域住民の生活条件を害するものだとして、政府はこれらを総合的に考慮し、境界地域の緊張を取り除く法案を準備しているところだと述べた。さらに2018年4月の南北首脳会談での「板門店宣言」には反朝ビラについての内容も含まれている、と述べたが、法案の提出時期や内容については具体的には言及しなかった。
韓国の『中央日報』によると、5月31日に韓国の脱北者団体「自由朝鮮運動聯合」が京畿道西北部の金浦市で、大型の気球を使って、50万枚のビラと、2000枚の1㌦札、1000個のメモリーカードを飛ばしたという。
これに対し、4日『朝鮮中央通信』が、金与正第一副部長の「自ら災いを招くな」という談話を掲載していた。金与正第一副部長は、ビラ散布を問題視するとともに、韓国政府がこの行為に対し、何らの措置もとらなかったことに対し、警告を発していた。
北朝鮮の警告に対し、韓国国防部の崔賢洙報道官は、「韓国が“9.19軍事合意”を履行するという立場は不変である」と述べたが、金与正談話については言及しなかった。
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