ロシアのスポーツ大臣がドーピング問題を認め、謝罪(2016/05/16)
ドーピング問題に揺れるロシア。WADA(世界反ドーピング機関)によって、国家レベルでのドーピング違反の可能性を指摘されてた昨年の11月からは、IAAF(国際陸上競技連盟)から、資格停止処分を受けていた。ロシアのドーピング問題調査のためにWADAの調査関係者らがロシア入りした際、1万4000ものサンプルを破棄したことや、ロシア陸上競技連盟が、選手に対して、競技外でのドーピング検査の時期の情報を漏らしていたことが明らかになったためである。リオデジャネイロで開催されるオリンピック参加が危ぶまれる中、ロシアのスポーツ大臣ムトコ氏は、イギリスの新聞に対してドーピング問題について語っている。各メディアは以下のように報じている。
5月15日付
『USAトゥデイ』(米)では、ムトコスポーツ大臣がイギリスの「サンデー・タイムズ紙」に対して、コメントを寄せ、その中でドーピング問題について「大変残念」と語っていることが報じられている。ムトコ氏はロシアの陸上競技連盟や選手、コーチらが「重大な過ち」を犯したことを認め、「我々は、ロシアや世界を騙そうとした選手たちが、直ちに捕まらなかったことを残念に思う。ロシアはスポーツにおいて高い基準を設けており、オリンピックの価値を損なうものについては断固反対である」と語っている。...
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5月15日付
『USAトゥデイ』(米)では、ムトコスポーツ大臣がイギリスの「サンデー・タイムズ紙」に対して、コメントを寄せ、その中でドーピング問題について「大変残念」と語っていることが報じられている。ムトコ氏はロシアの陸上競技連盟や選手、コーチらが「重大な過ち」を犯したことを認め、「我々は、ロシアや世界を騙そうとした選手たちが、直ちに捕まらなかったことを残念に思う。ロシアはスポーツにおいて高い基準を設けており、オリンピックの価値を損なうものについては断固反対である」と語っている。ただし、同氏はロシアが国ぐるみで不正を行ったという点は否定している。
さらにムトコ氏は国がWADAと協力して「ロシア反ドーピング機関」や「ロシア陸上競技連盟」の改革への取り組んでいることにも言及し、ロシアのスポーツ界がいかに「クリーン」で「フェアー」かを証明する点に力を注いでいる点を強調したという。例えば自国が行う選手適格性の証明のための検査の他に、さらに3回のIAAFによるドーピング検査を行うことが検討されているという。
リオデジャネイロオリンピックへのロシアの参加の可否は、来月17日にIAAFにより判断される。
同日付
『CBSニュース』(米)は、今回問題となっているドーピング疑惑の他にも、2014年にロシアで開催されたソチオリンピックでも、ロシアがドーピングに関して不正を行っていたと報じる。同記事は「CBS」のドキュメンタリー番組内で、ロシアの反ドーピング機関の元職員と元所長の間で秘密裏に交わされた15時間の会話の録音内容を入手し、同機関がいかにしてドーピング検査をかいくぐったのか、さらには禁止されている薬物を使ったボブスレー、スケルトン、カントリースキーの選手らの実名を挙げられているという。また、同記事によれば、ロシア連邦保安庁(前身はロシアKGBで、防諜や犯罪対策を行う治安機関)もドーピング問題に加担しているという。
同日付
『ワシントンポスト』(米)はロシアのドーピング問題に関して、ロシア連邦保安庁もかかわっており明らかに国レベルでの不正としたうえで、一事が万事、ロシアでの民主主義の芽生えが妨害され、大統領の取り巻きによる資金の流用、大統領への反逆者に対する制裁、武力によるウクライナへの侵攻など、全てが「ロシアの体質」の現れだとする。さらに同記事は、レーガン元大統領が残した名言を引用し、記事を締めくくっている。「ロシアを信用してもいいが、必ず確かめろ。この言葉はプーチン氏が政権についている以上、当てはまらない」。
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米メディアが伝える、プーチン大統領の陰謀(2014/12/04)
11月24日付「米メディア;ロシアの経済危機は深刻と報道」の中で、西側諸国の様々な制裁による影響ばかりか、今夏以降に顕著となった石油価格の下落によって、ロシア経済が深刻な状況に陥りつつあると報じた。その打開策と言えるのか、プーチン大統領が起死回生の手に打って出たと米メディアが伝えた。
12月1日付
『AP通信』は、「プーチン大統領、“サウス・ストリーム”天然ガスパイプライン建設中止、代わってトルコ向けに注力と表明」との見出しで、「プーチン大統領は12月1日夜、トルコのエルドアン大統領と会談した後の記者会見で、南欧向けの天然ガスパイプライン“サウス・ストリーム”プロジェクト(編注:ウクライナを通らないルート)を中止にする。ウクライナ問題を理由に欧州連合(EU)が、ブルガリア経由で南欧まで天然ガスパイプラインを伸ばすという同プロジェクトに反対したからだ、と発言した。...
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12月1日付
『AP通信』は、「プーチン大統領、“サウス・ストリーム”天然ガスパイプライン建設中止、代わってトルコ向けに注力と表明」との見出しで、「プーチン大統領は12月1日夜、トルコのエルドアン大統領と会談した後の記者会見で、南欧向けの天然ガスパイプライン“サウス・ストリーム”プロジェクト(編注:ウクライナを通らないルート)を中止にする。ウクライナ問題を理由に欧州連合(EU)が、ブルガリア経由で南欧まで天然ガスパイプラインを伸ばすという同プロジェクトに反対したからだ、と発言した。代わりに、現在ドイツに次いで2位のロシア産天然ガス輸入国のトルコ向けへの供給量を増やし、将来はトルコ経由でギリシャを含めた南欧までのパイプライン建設を進めていくとした。この計画変更で、ブルガリアを初め、EUのメンバーである南欧の中小国(編注:ハンガリー、セルビア等)にとっては、今後のエネルギー問題はもとより、同プロジェクト投資金の回収や、ガス通過料収入が期待できなくなるため、対ロシア制裁を巡って、EU内の亀裂が広がる可能性もある。」と報じた。
なお、旧聞の話ではあるが、12月1日付
『ワシントン・ポスト』紙は、「プーチン大統領、国際サッカー連盟(FIFA)主催ワールドカップ招致の引き換えに、欧州サッカー連盟(UEFA)ミシェル・プラティニ会長にピカソを贈呈」との見出しで、「英国
『サンデー・タイムズ』紙の調査によると、2018年のFIFAワールドカップ開催地決定に当り、プーチン大統領は、UEFAミシェル・プラティニ会長がロシアに投票してくれれば、お礼としてピカソの絵画を贈呈すると申し出たという。なお、この記事に関して、プラティニ会長は作り話だとして否定し、本件は自身の代理人弁護士に委ねていると答えた。」と報じた。
なお、上記
『サンデー・タイムズ』の調査内容には、イングランドと韓国間に密約があったことも含んでいる。すなわち、当時のFIFA副会長職の韓国理事が、2018年ワールドカップのための投票で、イングランドへ投票する代わりに、同じくFIFA副会長職のイングランド理事が、2022年ワールドカップのための投票で、韓国へ投票する取引が結ばれていたという。但し、結果は韓国側の裏切りで密約は実行されず、2018年ワールドカップはロシアに、そして2022年大会はカタールに決定されている。
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