コビッド19:ワクチンの世界での公平な分配なしでは感染は終息なしとの報告(2021/02/16)
『フランス国際ラジオ局(RFI)』によると、2月13日、感染病の専門家は科学誌「ランセット」の誌上で、コビッド19ワクチン接種を世界中で公平に行う必要がある。さもないとコビッド19感染を駆逐するまで数年間かかることになると警鐘を鳴らしている。
すなわち、世界で16%の人口を占める富かな国がワクチン接種量の70%を手に入れているのに対し、開発途上国はワクチン不足の問題に直面している。
そのため、富かな国側から発展途上国側への戦略的な働きかけがない限り、コビッド19感染症のまん延が数年間継続することになるという。
「ランセット」に投稿した共同執筆者の感染病学者マーク・ジット氏は、記事の中で、「このままだと富かな国にワクチンが集まって、多くの発展途上国にはワクチンが行きわたらないという状況が生じる。...
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すなわち、世界で16%の人口を占める富かな国がワクチン接種量の70%を手に入れているのに対し、開発途上国はワクチン不足の問題に直面している。
そのため、富かな国側から発展途上国側への戦略的な働きかけがない限り、コビッド19感染症のまん延が数年間継続することになるという。
「ランセット」に投稿した共同執筆者の感染病学者マーク・ジット氏は、記事の中で、「このままだと富かな国にワクチンが集まって、多くの発展途上国にはワクチンが行きわたらないという状況が生じる。 ウイルス性肝炎Bのワクチンを例にとると、ワクチンが富かな国に出回ってから10年たってから発展途上国にワクチンが配布された。」と説明した。
すなわちコビッド19ワクチンも同様に発展途上国へも均等に配布されないと世界はコロナ禍から10年間抜け出せないこととなると主張している。
世界ではワクチンに関するナショナリズムが現在台頭しており、国連の提唱するワクチン配分計画コバックスは、数年後までワクチン接種量の供給不足に陥っている。
感染病専門家は製造法の技術移転を進め、世界規模でワクチンを増産することを提案している。さらに増産されたワクチンを感染リスクにさらされている世界の医療従事者に接種することを呼び掛けている。
一方では、中国やロシアで開発されたワクチンを世界保健機関(WHO)で安全性と薬効を早急に臨床試験で確認し承認後、大量に生産しコバックス計画に組み入れることも現状の打開に役立つと主張している。
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コビッド19ワクチン:中国とロシアは互いのワクチンで影響力の拡大を目論む(2021/02/04)
ロシア製のコビッド19ワクチン、スプ―トニックVは開発当初、臨床試験でのテストが不充分だとか、透明性に欠けているなどの批判を受けたが、2月2日に刊行された国際医学誌「ランセット」で発表された臨床試験の最終結果では本ワクチンが無症状の患者に対して91.6%薬効があると発表されており、完成したワクチンとして認められている。
ドイツのメルケル首相は「ランセット」誌のスプ―トニックVの薬効に関する発表前にプーチン大統領に「EMAで認可されたワクチンはEUでも大いに歓迎である。...
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ロシア製のコビッド19ワクチン、スプ―トニックVは開発当初、臨床試験でのテストが不充分だとか、透明性に欠けているなどの批判を受けたが、2月2日に刊行された国際医学誌「ランセット」で発表された臨床試験の最終結果では本ワクチンが無症状の患者に対して91.6%薬効があると発表されており、完成したワクチンとして認められている。
ドイツのメルケル首相は「ランセット」誌のスプ―トニックVの薬効に関する発表前にプーチン大統領に「EMAで認可されたワクチンはEUでも大いに歓迎である。もしスプ―トニックVワクチンを共同で生産する場合は協力したい。」とも話したという。
ロシア製ワクチン、スプ―トニックVは医学的な成功に加え、経済的にもロシアに250億ユーロ(=約3.15兆円)以上の外貨をもたらすことなる。
さらにワクチンの売り込みは、プーチン大統領の外交政策にも一役買っている。
ハンガリーはEUの承認なしで40000人分のスプ―トニックワクチンを受け入れている。他にロシアの影響力の強いインド、ブラジル、南アフリカまで販路を広めている。
ワクチン専門家は、ファイザーが新しく開発したRNAタイプのワクチンは高価になり、-80℃の低温度での保存と輸送が必要になり、大人口へのワクチン接種に向いていないと指摘している。
中国はワクチン外交で既にロシアの先を走っており、エジプトやモロッコでのワクチン工場建設を計画しており、中東のイラク、ヨルダン、UAEやバーレンからワクチンを受注している。
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