コビッド19:2021年中に世界中で広範囲に使用が期待されるワクチン(2021/04/18)
世界保健機関(WHO)によると、現在、世界中でコビッド19対応のワクチン85種類以上が臨床試験中であり、約190種類が臨床試験前の開発段階にあるという。
その中でRNAメッセンジャー型のワクチンが最も科学的に評価が高く、ワクチン競争で優位に立っている。ファイザー社とバイオNテックが共同開発したワクチンとスタートアップ企業モデルナのワクチンで世界に先駆けてRNAメッセンジャー技術を使用している。...
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世界保健機関(WHO)によると、現在、世界中でコビッド19対応のワクチン85種類以上が臨床試験中であり、約190種類が臨床試験前の開発段階にあるという。
その中でRNAメッセンジャー型のワクチンが最も科学的に評価が高く、ワクチン競争で優位に立っている。ファイザー社とバイオNテックが共同開発したワクチンとスタートアップ企業モデルナのワクチンで世界に先駆けてRNAメッセンジャー技術を使用している。ウイルスのRNAメッセンジャーを含む液を接種することで体内の細胞に抗体となる物質を形成させようとする原理によっている。
ファイザー社とモデルナ社のワクチンは双方とも95%感染症を抑制し、副作用の症例も少ないと報告されている。最近の米国での調査結果では、ワクチン接種により感染を防止することも確認されている。 2つのワクチンの唯一の欠点は、ワクチン接種前までは極低温で保存する必要があり、ロジステイック上の制限となる。
RNAメッセンジャー型の他のワクチンとして今後、世界に市場に出るのはドイツの「キュアバック」で、欧州医薬品庁の試験検査手順に従いこれから試験が開始される。
ウイルスベクターによるワクチンは今日最も多く使用されている。不活性化したSARS-COV2ウイルス遺伝子組換えベクターが使用され、体内に抗体を作るたんぱく質が誘発される。 オックスフォード・アストラゼネカ社のワクチンがその例で、世界で最も多く使用されている。インドではこのワクチンが技術移転でコビシールドの名前で製造され、値段が安いことと保存に極低温の必要がないことで重宝されている。
しかし副作用として血栓疾患が報告されているため、デンマークやスウェーデンで使用が中止されている。さらに南アフリカ型変異ウイルスに薬効が劣るとの症例があるため南アフリカはアストラゼネカ社のワクチンを他の国に売却しているという。
ジョンソンエンドジョンソンのワクチンもウイルスバスター型のワクチンであるが、副作用として、同様に血栓疾患が報告されているため、米国や南アフリカで使用が中断されている。
ロシアのガマレイア研究所の開発したスプ―トニックVは2020年8月に世界の約50か国に認可されたワクチンで医薬誌ランセットによると、91.6%の対症性があるという。EUの3か国ではすでに認可して使用中で、ドイツも4月初めから承認手続きに関してロシアと協議に入っている。
死活化したウイルスを使用する従来型ワクチンとしては中国の「シノファーム」と「シノバック」が相当する。WHOで効果は認められているものの、実際の対症性については「シノバック」ワクチンを使用しているチリで疑問視されている。
最近、中国の保健衛生責任者も薬効の低さを認めている。インドで独自に開発した「コバクシン」も従来型ワクチンと推定されている。
抗体反応を誘発するたんぱく質を含むワクチンタイプで、これから市場に出ると予想されているワクチンとして、米国のノババックス社のワクチンがあるが、89.3%の対症性があると発表されており、米国、英国およびEUの医薬品庁に迅速な認可を要請している。仏のサノフィ―研究所は英国のGSK社と共同で同様のタイプのワクチンを開発している。
さて、日本の製薬会社からのコビッド19対策ワクチンは、いつになれば市場に出回るのかやきもきされる。
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米メディア;今夏にオリンピック開催予定の日本のワクチン接種が大幅遅延の理由を詳報(2021/02/28)
日本は、新型コロナウィルス(COVID-19)感染者・死者とも欧米諸国に比し低い国である。しかし、目下首都圏等一部の地域に再度の緊急事態宣言が適用される程、感染症抑制は未だ見通しが立たない状況にある。そうした中、今夏に世界が注目する東京オリンピック・パラリンピック開催を控えているにも拘らず、ワクチン接種の動きが欧米諸国比で2ヵ月も遅れている背景について、米メディアが詳報している。
2月27日付
『CNNニュース』:「今夏に東京オリンピック開催を控えているのに、日本のCOVID-19ワクチン接種が大幅遅延している理由」
今年7月には夏季大会の開会式を予定している日本は、どんなことをしてもCOVID-19ワクチン認可を急ぎ、接種を迅速に進めたいはずである。
しかしながら、最初のワクチン接種が始まったのは先週で、先行している欧米諸国に比べて2ヵ月も遅い。
政府発表によると、現在優先接種対象の医療従事者が接種したのは僅か1万8千回分である。...
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2月27日付
『CNNニュース』:「今夏に東京オリンピック開催を控えているのに、日本のCOVID-19ワクチン接種が大幅遅延している理由」
今年7月には夏季大会の開会式を予定している日本は、どんなことをしてもCOVID-19ワクチン認可を急ぎ、接種を迅速に進めたいはずである。
しかしながら、最初のワクチン接種が始まったのは先週で、先行している欧米諸国に比べて2ヵ月も遅い。
政府発表によると、現在優先接種対象の医療従事者が接種したのは僅か1万8千回分である。
日本のCOVID-19感染者及び死者は、米国や英国に比し高くはないが、現在、再び感染爆発に見舞われていることから、菅義偉首相(72歳)には、今夏の東京オリンピック開催までに感染症抑制するよう重圧がかかっている。
ただ、日本政府は、ワクチン認可は意図的に慎重に取り進めていると表明していて、その背景には、後述するとおり、50年余り前から断続的に起こったワクチン副反応問題が挙げられる。
しかし、かかる背景があっても、キングス・カレッジ・ロンドン(1829年設立)の渋谷健司教授(54歳)含め複数の医療専門家は、日本政府のワクチン配布遅延やワクチン接種戦略の欠如によって、より多くの犠牲者が出ると非難している。
例えば、世界中に広く配布されて接種されている米ファイザー・独バイオNテック共同開発のワクチンは、昨年末までに数ヵ月に及ぶ臨床試験を、米国・ドイツ・トルコ・南アフリカ・ブラジル・アルゼンチンにおける約150の病院で実施された。
その結果、両社の11月19日公式発表では、効果は95%に達したという。
そこで、2週間後には英国が最初に、12月11日に米国が認可し、更に、12月31日には、世界保健機関(WHO)も緊急使用のための認可を下している。
にも拘らず、日本が当該ワクチンを認可したのは2月14日で、その直前に国内における僅か160人の患者に対する臨床試験をした上でのことであった。
渋谷教授は、“僅か160人の臨床試験では、ワクチンの有効性や安全性など全く科学的な証明とはならない”と酷評している。
しかし、COVID-19ワクチン接種担当の河野太郎行政改革担当相(58歳)は、“日本政府として可能な限りワクチンの有効性・安全性を念入りに確認することが重要である”とし、“これを踏まえた上で、日本国民にワクチン接種に積極的になるよう望むからだ”とコメントしている。
(日本における過去のワクチン副反応問題)
●ジフテリア・百日咳・破傷風(DPT)用の三種混合ワクチン:1970年代、ワクチン接種後24時間も経たずに2人の幼児が死亡。この事態を契機に、ワクチン接種率が非常に低下し、結果として後に百日咳の罹患及び死者が増加。
●はしか・おたふく風邪・風疹(MMR)用の新三種混合ワクチン:1980年代末から1990年代初め、ワクチン接種による副反応として無菌性髄膜炎を多く発症。国は遺族側提訴によって多額の賠償金を負担。国立医薬品食品衛生研究所(厚生労働省傘下、1874年前身が設立)は1993年、混合ワクチン接種を止め、個別の予防接種に切り替え。
●ヒトパピローマウイルス(HPV)用ワクチン:2000年代半ば、主に子宮頸がん予防のためのHPVワクチン接種が開始されるも、疼痛・けいれん・意識障害などの症状が数百例発生。欧米諸国はもとより、WHOも2015年、ワクチン接種との因果関係はないとの報告が出されているにも拘らず、大手マスコミや個人のユーチューブ動画が不安を煽ることとなり、結果として日本における接種率は、2010年の70%から現在の1%未満まで激減。英国医学誌『ザ・ランセット』(1823年創刊)掲載記事によれば、今後50年間でワクチン不接種による子宮頸がん死者が1万1千人に上ると予想。
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