北朝鮮;金正恩委員長の偶像化の一環で大肖像画を平壌空港に掲示【米メディア】(2018/11/07)
北朝鮮は、トランプ大統領との歴史的首脳会談を契機に、国際社会でのプレゼンスを高めるべく、米国の他、中国やロシアとの連携強化など様々な行動に出ている。そしてこの程、金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の願いが忖度されたのか、祖父であり北朝鮮建国の父である金日成(キム・イルソン)国家主席、父である金正日(キム・ジョンイル)総書記と同様、実物より遥かに大きい肖像画を平壌(ピョンヤン)国際空港に掲示して、同委員長の偶像化を進めていることが判明した。
11月6日付
『ニューヨーク・ポスト』紙:「金正恩氏の大肖像画が正式にお目見え」
北朝鮮の小柄な独裁者、金正恩労働党委員長の肖像画が初めて公に掲示された。ただ、実物より遥かに大きい7フィート(約2.1メーター)の身長の像となっている。
地元のテレビ局が、今週初めにキューバのミゲル・ディアス=カネル国家評議会議長が訪朝した際、平壌空港に掲示されていた映像を流したもの。
英『NKニュース(北朝鮮関連専門のニュースサイト)』の評論家であるオリバー・ホットマン氏が『BBCニュース』に語ったところによると、北朝鮮がいよいよ金正恩氏の偶像化を内外に示す政策の表れだという。...
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11月6日付
『ニューヨーク・ポスト』紙:「金正恩氏の大肖像画が正式にお目見え」
北朝鮮の小柄な独裁者、金正恩労働党委員長の肖像画が初めて公に掲示された。ただ、実物より遥かに大きい7フィート(約2.1メーター)の身長の像となっている。
地元のテレビ局が、今週初めにキューバのミゲル・ディアス=カネル国家評議会議長が訪朝した際、平壌空港に掲示されていた映像を流したもの。
英『NKニュース(北朝鮮関連専門のニュースサイト)』の評論家であるオリバー・ホットマン氏が『BBCニュース』に語ったところによると、北朝鮮がいよいよ金正恩氏の偶像化を内外に示す政策の表れだという。
また、同氏は、金氏が2011年に就任以来、核武装と経済発展を両輪とする政策を進めてきたが、ドナルド・トランプ大統領との歴史的会談を成し遂げるなど、2018年に大きな進展があったことから、同氏が習近平(シー・チンピン)国家主席やトランプ大統領と同等に渡り合えることを強調する意味でも、かかる肖像画の作成・掲示が為されたとする。
ただ、現実的には、国際制裁の停止も、海外投資の促進も、更には、数年内の南北朝鮮の統一も、米国による核兵器放棄が最優先との主張の前に、何ら進展が望めない状況である。
北朝鮮問題専門家で、金氏に関する著書も多く出版しているジャーナリスト、重村智計氏(元毎日新聞記者)は英『テレグラフ』紙のインタビューに答えて、北朝鮮の首脳にとって最も重要なことは成果を示すことだが、残念ながら金氏はまだ十分な成果を示せていない。
ただ、間もなく金氏が訪ロや訪韓する際には、北朝鮮メディアがつきっきりで同氏の動きを大々的に流し、同氏の偉大さをアピールすることになろうとコメントした。
更に重村氏は、金氏は心から、祖父の金日成国家主席、父の金正日総書記と同等に扱われることを望んでおり、今回の肖像画の作成・掲示も、同氏の支持者へ強くアピールする手段だと考えられると付言した。
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安倍首相、国会閉会中審査で“丁寧な説明”に尽力するも、反って疑念は深まるばかり【米・英・中国メディア】(2017/07/26)
7月26日付【時流:与野党の攻防は当分続く】の中で触れられているとおり、衆院・参院両予算委員会の閉会中審査において、安倍晋三首相は、加計学園問題等で“誠心誠意丁重な説明ができた”と自画自賛するも、野党からは“反って疑念が深まった”と厳しい批判を浴びせられている。更に、連立与党を組む公明党幹部からも、首相が答弁を修正したり陳謝したりと、悪い印象が残ってしまった、と手厳しい。欧米メディアは関心が薄い模様で、一部が報道しているのみだが、一方、中国メディアは、宿敵安倍氏が窮地に立たされていると連日大々的に報じている。
7月25日付米
『ABCニュース』(
『AP通信』配信):「野党国会議員、安倍氏のスキャンダルでの証言に虚偽があると追及」
7月24、25日に開かれた、衆院・参院両予算委員会での閉会中審査に出席・証言した安倍晋三首相に対して、野党国会議員からは、加計学園問題等での証言に虚偽があると厳しく非難された。
野党側は、これまで判明した文書から、安倍首相の刎頚の友である加計孝太郎氏が推す加計学園獣医学部新設計画について、安倍氏の側近や官僚がルールを曲げて特別扱いをしたことが明らかであると追及した。...
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7月25日付米
『ABCニュース』(
『AP通信』配信):「野党国会議員、安倍氏のスキャンダルでの証言に虚偽があると追及」
7月24、25日に開かれた、衆院・参院両予算委員会での閉会中審査に出席・証言した安倍晋三首相に対して、野党国会議員からは、加計学園問題等での証言に虚偽があると厳しく非難された。
野党側は、これまで判明した文書から、安倍首相の刎頚の友である加計孝太郎氏が推す加計学園獣医学部新設計画について、安倍氏の側近や官僚がルールを曲げて特別扱いをしたことが明らかであると追及した。しかし、安倍氏は、特別扱いもしていないし、加計氏に対して関係閣僚に会うよう便宜を図ったこともないと、その追及の否定に終始した。
安倍首相は、直近のスキャンダルの影響から、一部の世論調査で支持率が26%まで急落したことを受けて、早々に内閣改造を断行して巻き返しを図る意向と言われている。なお、自民党内には強力なライバル・反対勢力がないこともあって、安倍氏の自民党総裁としての立場が脅威にさらされることはないとみられる。
一方、同日付英『ザ・ガーディアン』紙:「スキャンダル問題で、安倍晋三首相の統率力に陰り」
安倍首相は来年の自民党総裁選で、3期目を目指す意向と言われているが、政治評論家は、今回見舞われている様々なスキャンダルで、内閣支持率が“危険水域”に達しつつあると評価している。
先週発表された『毎日新聞』の世論調査によると、内閣支持率が2ヵ月連続して下落し、2012年に政権に返り咲いて以降最低値となる26%まで落ち込んでいる。なお、安倍首相の第1次政権時含めて何人かの首相は、支持率が20%台に落ち込んで以降1~9ヵ月以内に首相を辞任している。
一方、安倍氏が下りることになった場合の後任候補として、岸田文雄外相と石破茂元防衛相の名が挙がっている。
また、7月26日付中国『環球時報』(『新華社通信』配信):「日本の野党、閉会中審査で連日安倍氏のスキャンダル攻撃」
安倍首相は、加計学園の加計理事長とは、1993年に自身が国会議員に当選する以前から長い交友関係がある。また、2012年に安倍氏が首相に返り咲く以前にも、更にはそれ以降も、しばしば会食・ゴルフ等を共にしている仲である。
にも拘らず、野党側から様々な関係文書や、参考人の証言を踏まえて、安倍氏及びその側近や官僚による特別扱いがあったのではないかとの追及にも、安倍氏は、全く関与していないと強硬に言い張っている。
また、都議選での失言含めて、様々な問題を起こしている稲田朋美防衛相に対しても、安倍首相は、依然かばう姿勢を示している。
なお、安倍氏は、来年9月の自民党総裁選(3期目)に勝利して、首相在任期間の最長記録を更新する希望を持っていると言われているが、都議選含めて様々な選挙で自民党惨敗が続いていることから、安倍氏の野望もかなり危うくなってきている。
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